僕は多分、普通の人よりは水分をたくさん摂るので、トイレの回数は多いと思うのですが、手術前からちょっと控えていたというのもあるけれど、トイレに行きたくならない。
手術後、前日から何も食べていなかったので、朝食を食べた時に、トイレってどうやって行けばいいんだろ?と。
足がガチガチに固められてるし、謎の冷却装置(イケメン先生のお気に入り器具。無い病院もあるそうで、その場合はアイスノンで冷却するそうな)にもつながっているし。
で、お昼過ぎに看護師さんが「カテーテル、抜きますね」と。
カテーテル。
女性は判らないかもしれないけれど、男子の間では恐怖の装置。
いつの間にか、ナニに管を突き刺すという、鬼畜の所業を受けていました。
「少し痛いかもしれません」と言われてズボッと抜かれて(そんなたいそうなモノではありません)、「しばらく痛みが残るかもしれませんが大丈夫ですよ」と。
男にとっては、けっこう恥ずかしい体験なはずなんですがー、何本も見ているせいか慣れたもので、するっと抜いてくれるので、特に恥ずかしいとか思うことはありませんでした。着替えの時とかも。
そういえば、手術の時に履いていたサンダルや下着がビニール袋に入れられて置いてあったんだけど、この時、自分がノーパンでパジャマを着ていることに気がつきました。
それにしても、どういう仕組みなのかわからないけど、カテーテルを入れていると、おしっこしようと思わなくても尿が出ているってどういうことなんだろう。
(あと100%アウトだけど、女性の方が尿道は短いので、カテーテルって怖くないのかなってのは聞きたい。ChatGPTに聞けって話)
ナースコールなんて使うもんか!と思っていたけど、こればっかりはしょうがない。
看護師さんに手伝ってもらって、足の冷却装置を外してもらって車椅子でトイレへ(男女共用)。
札をひっくり返して「使用中」にして、シャーッとカーテンを開けて入ります。
左足を伸ばしたまま(車椅子って、ふくらはぎの部分もそれぞれ角度が付けられるようになっている!)、看護師さんにトイレに連れて行ってもらいます。
右足は使えるし掴めるところもいくつもあるので、便座の少し手前くらいまで連れて行ってもらえば、とりあえず用は足せます。
バーにつかまり立ちしながら、下着を下ろして、着座。用を足す。
お尻を拭いて、ズボンを履いて、ナースコールを押して、自分で車椅子に戻る、ところまではできた。
もしかしたら、(使ったことないけど)車椅子で出て行って、、ってとこまでもできたかもしれないけれど、冷却装置がよく判らなかったので、この時点ではコールして正解。
というか、判らないこと、出来ない事は看護師さんにお願いするのが正解です。変なプライドは捨てましょう。
5階にいくつかあるトイレも混んでいる時があって、隣空いてるじゃんと思いつつ、少し遠いところのトイレに連れて行かれるんだけど、あとで車椅子で移動できるようになって、入らなかったところに行くと、あ、これは使いづらいなってすぐ判ります。
左足負傷者に使いやすいトイレと右足負傷者が使いやすいトイレがあるって、なんかけっこうすごいなと思った。
左足固定(まっすぐ伸ばしたまま)、右足固定ってのはわりと普通の治療法なのかな。
入院中も、何人か、伸ばしっぱなしの車椅子患者さんとすれ違いました。
お見舞いに来てくれるパートナーに「カテーテルされてた」って言うと、
「(チ×コ)見られたっこと?」と。冗談含みで言われた。
「お医者さんなんだから、そんなの見慣れてるでしょ!」
すごくかっこいい先生って言わなくてよかった。なんとなく。
でも、10年とか付き合っていると、恋人というより、友達、とか、いつも居る人、みたいに自分も思っちゃってたんだけど、なんとなく、「まだ男として見てくれてるんだ」と思って少し嬉しかった。
時間はあいまいなのですが、食事の後にリハビリの時間が設定されるようになって、そこで車椅子や松葉杖のレクチャーを受けました。
看護師さんはナースコールをすると、嫌な顔一つせず付き合ってくれます。
でも、自分で冷却装置を外し(けっこう力がいるし、下手すると水がこぼれる)、車椅子に乗って、トイレに行くことができるようになった時は、少し嬉しかった。
(無理かなーと思った時は、看護師さんに頼ってください)


